患者からのクレーム対応を円滑に進める得策

大きな病院では、あまりにも待ち時間が長くてイライラした患者が看護師に文句を言うという事例がしばしばある。
しかし、看護師は人材不足が慢性化しており、仕事量も多いため、常に暇を持て余している訳ではない。
人員が足らないのなら、忙しく動き回っていながらも、長い待ち時間が生じてしまうのは当然のことだ。

そんな中、医師の態度が気に入らない、診療に不満がある、など面と向かって医師に文句を言えない患者からのクレーム対応を看護師が強いられるというケースもある。
そこでとある総合病院の看護師が、上司に直訴してクレーム専用の窓口を作ってもらった事例がある。
その病院は患者からのクレームをメールや投書という形で表明できる仕組みを構築したのだ。

看護師たちは患者から文句を言われるたびに、「当病院にはクレーム専用の窓口がありますのでそちらに投書してください」と対応することにした。
すると患者は、あとで投書しよう、と思いイライラした感情を抑えてくれるようになったとのこと。
さらに投書されたクレームはすべての医師や末端の医療スタッフにも共有され、病院全体としてのサービス向上につながったと言われている。

大きな病院であればあるほど、忙しく動き回る看護師に希望を伝えたところで、改善される可能性は低い傾向にある。
また、怒りの感情に任せたクレームは看護師を委縮させ、治療の妨げになるリスクもあるだろう。
それを加味すると、患者の立場としても自分の意見を冷静に伝えることができる投書という手段は、得策と言えるのだ。